琉球城焼は、機械による大量生産ではありません。忠孝窯の職人たちの手により、ひとつひとつ丹念に造られております。
ろくろによって成形された荒焼甕は、一日ほど置いてかんなで削り、形を整えます。
その後、十分に乾燥させます。小さいもので1~2週間。大きいもので約1ヵ月かけて乾燥させます。
そして、1000度以上の温度のガス窯で4日ほどかけて焼きます。

ろくろで成形した琉球城焼は、一週間から二週間、大きい物で一ヶ月弱かけて、乾燥させます。
水分が抜ける分、徐々に収縮していきます。
さらにガス窯で千度以上の熱をかけ焼き上げると、容積が約45%収縮します。
収縮率の高い甕は、土の閉まりが良いので、中の酒が漏れず、良質な古酒を育みます。
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本島南部の「島尻ジャーガル」と主に山原で取れる「琉球赤土」をブレンドして作られた琉球城焼。
琉球城焼は、古酒を漏らす事なく、貯蔵する為に、鉄分を多く含み、密度を濃くした材質でできています。
軽く叩いてみると、まるで金属製の容器を叩いたように甲高く、それでいて陶器独特の澄んだ音が響いてきます。
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甕を焼く際、直接炎が当たった所にできる色変わりを『窯変』といいます。
これは炎の色が焼きついた物で、炎と土が融合した、最高の景色です。
焼くときの、窯・薪・甕の状態など、様々な要因が影響しますので、同じ模様の窯変は二つとありません。